心がけ22 少数部数なら手作りも

本や冊子をいくつも手作りしてきました。紙の中折りした部分を糸でとじ、ダンボール紙の背表紙や表紙をつけるいわゆる上製本がつくれるキットが市販されおり、それを買って何冊もつくるうちに、いろいろなバリエーションで手作りするようになりました。上製本の作り方を基本に、ほかの方法も身に着けたという感じです。
キットで最初に作ったのは「昔も今もあるところにさらしなが」という本です。今から約20年前の21世紀はじめ、40歳のころです。そのころの仕事の担当テーマが高齢社会だったことから、ふるさとの冠着山が姨捨山の異名を持つ理由も取材対象になりました。取材するなかで「さらしな」という地名の力に気づき、このタイトルにしました。明治の町村合併で冠着山のふもとを「更級村」と命名した初代村長について詳しい郷土史家に原稿を書いてもらったり、私が調べた姨捨山の異名理由などを載せるなどして、共著の形でつくりました。
その後、日本古来の和本の作り方も覚えました。インクジェット用の和紙が市販されており、上製本の内容をそのままに和本にしたこともあります。栃木県のおばあさんからは自分が小さいときに聞いて覚えているという「さらしな村のよしともさん」のお話が寄せられ、和本にしました。ふつうのコピー用紙に印刷したものをたたみ、背をのりづけした簡単な冊子は、手軽で一冊ものにはぴったりでした。
本や冊子は少数部数でいいのであれば、手作りもひとつの形です。手作りのものは、見て、手にして、楽しいです。
手がけてきた手作り本は、さらしな堂に展示しています。

更級村の誕生については次のページをご覧ください。
http://www.sarashinado.com/sarashinamura/
「さらしな村のよしともさん」については
http://www.sarashinado.com/2011/07/16/yoshitomosan/
姨捨山の異名の理由については
http://www.sarashinado.com/betsumei/