百白百首14 水が自分の姿を描くと…

断崖を大落下する一瀑布その純白は水の自画像  高野公彦「水の自画像」

瀑布は滝のこと。だんがい、だいらっかと立て続けに大きな響きのよみだしなので、ナイアガラや日光の華厳、熊野の那智といった大滝を思い起こしました。

いずれもその流量の多さと高低差の大きさから、水は真っ白な布のようにたなびき、白いしぶきがあがっています。

すべてのものを流し、すんだ状態にしてしまう水。その水の在り方は、清浄で清澄な白のイメージと重なります。透明で色がない水が自分の姿を描くとすれば、それは真っ白なキャンバス(画布)であると、大瀑布の前にして思ったのです。

☆白の力を借りて自分の思いを表現した歌を「百白百首」のコーナで紹介しています。