心がけ3 読んでもらいたい人はだれ?

 更級(さらしな)の地名にまつわる歴史やエピソードは、東京神田神保町の古書店街や長野県内の図書館や古書店、さらにネット検索などで可能なかぎり、探しました。話が聞けそうな人がいれば会いに行きました。更級郡の最後の自治体だった大岡村が2005年元旦、長野市と合併し、更級郡は消滅したのですが、その日が来るのが残念で、前年の2004年11月3日、「更級への旅」を創刊しました。
当時はフェイスブックやツイッターのようなSNSはありません。自分のホームページを作るのもかなり面倒な時代でした。伝えたいことは書けそうだけど、どうやって読んでもらうか…。とにかく地元の人にまず知ってもらいたい…。
そのときに思いついたのが、小売業を営んでいたわたしの生家。レジ回りには椅子が置かれ、店主の母がよくお客さんと話をしていました。お客さんの手が届きやすい商品棚に箱を置き、A3サイズに印刷した更級への旅の見出しと写真が見えるように差し込み、自由に持って帰ってもらうことにしました。読んでほしい人には、出かけて行って、直接手渡しました。更級村という村名の論拠となった佐良志奈神社は、拝殿に印刷物を置き、参拝者の目に触れるようにしてくれました。地元の更級小学校の校長先生は、学校のホームページに掲載してくれるようになりました。
創刊から約5年、100号となるころには、さらしな堂のホームページ(現在のさらしな堂アネックス)を作り、今に至ります。