短歌の豆本を作りました。千曲市の美術館アートまちかどで開催された美術部所属中学生の作品展(2024年11月25日~12月17日)に触発されました。

 1枚の紙を畳んでとじた豆本の作品があり、手のひらに乗る小さな短歌集ができると思いました。どのように作るのか調べたら、1枚の紙を4回折り、3カ所切り込みを入れていることが分かりました。4回の折りなので16の面ができ、切り離すことなく、畳めば完成です。

中学生が作った画の豆本

 載せる短歌は、豆にちなんだものにしようと考え、16の歌を作りました。小豆のあんこが大好きで、豆には思い入れがありました。A4判の紙に16の歌が配置されるようにパソコンで設定、歌を入力してプリント。折り4回と切り込み3本を入れ、畳みました。A8判(タテ74㍉、ヨコ32㍉)。手のひらサイズです。

 16という単位は一つのまとまりとしてちょうどいい感じです。ほかのテーマでも作ってみたいと思いました。

 載せた歌は次の通りです。

あん

16の歌を作って編むことで豆本として成立させたい

ニョキニョキと天まで元気に伸びていくジャックの豆の木小さなわたし

豆一つひとつひとつを箸で取る脳内細胞ぴくぴく動く

繊維質タンパク質のたっぷりと入ったあまーい小豆のあんこ

棚にあるパンに目移りするけれど一つはあんこの入ったパンを

こしあんと粒あんどちらと聞かれたら「あんたが好き」とこたえる私

お汁粉かぜんざいどちらと問われたら「お汁粉ぜんざい」そう答えます

豆なひと豆知識みな小粒だが豆大福の大きな粒たち

代々のわが家で飼ってきた犬は豆芝コロという名をつけて

豆がらはひたすら枯れて風吹けばからからからと大きな合唱

刻まれたニンジン昆布貝ひもと煮しめた大豆母親の味

お砂糖の入っていない小豆あんたっぷり砂糖入れて年の瀬

豆4つ毎日摂れば88(べいじゅ)まで案外いけるかもしれません

発芽した2つの豆を差したなら99までは生きる気分

1枚を2回畳んで2回折り開けばそこに16の窓

歌豆本 千曲坂城の美術部の生徒にヒントをもらったものです