未来へと餅の白さを伸ばし喰ふ 小田島渚
1月18日付信濃毎日新聞の、俳句と短歌のページで紹介されていた俳句です。灯油ストーブの網であぶった餠の破裂したときや醤油につけるときの、白い輝きとみずみずしさが浮かびました。
のどにつまらないよう伸びにくい餠になっているとも聞きますが、餠を引き伸ばしながら、その白さを味わってみると、良い1年になるかもしれません。餅は1年のはじめにこそ食べるものです。
さらしなという地名の魅力を調べる中で、日本人の根源の美意識に「白」があると気づき、「白 さらしな発日本美意識考」という本を作りました。短歌を作ったり、読んだりするのが好きで、気になったものをメモしているうちに、たくさんの人が歌や俳句で「白」の力を借りて、思いを表現していることに気づきました。歌を紹介しながら、日本人と白の関係について書いていきます。