面白いと思ったことはたっぷり書く。新聞の記事を作るときの心がけでした。ニュースのポイントや意味、対策などに関して記事を書くとき、いろいろ書いても伝わりません。この部分が面白いというところがあれば、その部分の取材を厚くしたり、掘り下げたりして記事を作りました。
人に読んでもらいたい文章をつくるとき、わたしは自分が感じた面白さを信じます。読者にとって面白いものは何かという引いた判断の訓練を日々していたことが大きいと思います。駆け出しのころは、自分が感じた面白さは、デスクは面白いと思うかどうか、読者も同じように思うかどうか不安なことがありましたが、そんな作業を繰り返しているうちに、信じることができるようになりました。
独りよがりではない面白さかどうかは、他人の目をくぐることが必要です。最初からうまくはいきません。文章にしたい思いがあるときは、親しい人、信頼できる人に「このことが面白いので書いみたいのだけど」と聞いてみることも有効です。話をしているうちに、その面白さを補強する材料も浮かび上がってくると思います。