さらしなの歌3

2025年2月からの歌です。それ以前のものは「さらしなの歌1」「さらしなの歌2」に掲載しています。2022年冬から23年春にかけて作った歌は編集して、フォト歌集「ひかりのキャンバス」を発行。

はじまりの水には万象すでにあり何を映すか何を見つくか
千曲市八幡の水源「頭無し(かしらなし)」から現代を見据える画家の新作(アートまちかどで開催の「AST from CHIKUMA City -美術教師と教え子たちの今。それぞれが発信するアートのかたち」)
いろいろなお盆の過ごし方見てて沈むの遅れてしまった太陽
今晩は良い月がでたお手本だ真似するヘッドライトと街灯
目を開けて眠るお手本わたしらが見せてあげますどうぞスマホで
瓦の上ちょっと冷たい気持ちいい今日もあつーくにゃるんだろうな
はじまりは亡き子の供養百年の風雪水難見てきた地蔵
あるものに意欲と工夫を加えればこんな大きな世界ができる
土地守る神の社に更級の冠つけた横田の先人
眉毛とか爪の切れ端とか言って見てくれる人いるのうれしい
左からみんなで順に歌おうよドレミファソラシ ドはどこ行った?
少年をワクワクさせたど根性ガエルのピョン吉きみは知ってる?
朝方は涼しいよねたくさんのミストでわたしも包まれてるから
森の丘にねむる科野の大王が見ていた梅雨の合い間の冠着(かむりき)
本降りになってきちゃった朝飯はしばらくがまんがまんの合唱
つかめればと思ったことはないですねふたりで何度も運んでいます



あすは夏至最高の空に上ったらこれ以上早起きしないから
ふところの深いお社腐葉土になって養う野草人の目
鳥へんを付けずに燕という文字をつくった人の気持ちが分かる
顔よりも大きな口を開けている何食べさてあげようかしら
知られないように構えて追っていて目と目が合ってきまりが悪い
飯縄に差しこむ光りありがたく引き入れ権現様の恵みいただく
天と地を逆さにすればもう一羽同じだけれど別のサギいる
水入るこの時季だけのこの景色田毎の朝日わが家で楽しむ
太陽さん人間は月が好きだけどあなたのおかげで食べていけます
はじまりをみんなで共有できたから5月10日は月都記念日(姨捨の棚田の起源を知る三峯山ウオーキング2025)
生産と消費の一体見えるから原風景と言いし人逝く
ヒナギクを散らし訪ねる人たちをさらに清しくもてなす計らい
一羽しか入れぬ巣作り人間の問いを許さぬつがいの一羽
縁あって月の都のめぐり人この名のお風呂ある宿泊まる(月の都千曲民話紀行2025年5月25~26日)
姨捨に向かう分岐の交差点月にならってみんなで灯る
(更級小学校入口)
この月を見たら一緒に帰るのみ更級の里の姨捨の山
雲ふたつ寄り添い合えば丸眼鏡かけたアトムとウランと博士 (武水別神社神官松田邸)
水路にはふとどき者が捨てたごみ地域の人がみんなで拾う
新しい茅葺き屋根の月見堂 姨捨の芽吹きことしは早い (2025年3月12日)
月だけじゃないわたしらも青空にいると星たち親子に見せる
リュックからこぼれてしまったチョコベビー ひと休みしたダイダラボッチ
あなたらが食べるお米に欠かせないお水ことしも流れるように
平行線検索すればこの字だが並行線と書きたいこのごろ