春と花、陶芸で心身を新たにしました

 長野県千曲市の美術館「アートまちかど」の春の企画展、とてもすがすがしくて躍動的です(3月27日まで)。春と花をテーマに、長野県北信地域の陶芸家の作品を一堂に紹介するもの。食器から装飾品(オブジェ)まで、ふだんの暮らしにこうしたものがあれば、楽しいだろうなと思わせる品ぞろえでした。

 作家24人の約300作品の中で、手に入れられるものなら、いちばんに手に入れたいと思ったのは、若草色のぶどうの粒のデザインが施された酒杯でした。ぶどうの実がなるのは夏ですが、私の世代ではナイアガラという品種のあのうす緑、いまでいえばシャインマスカットのあの緑色が、釉薬で表現されていて、なんとも心がさわやかでわくわくしました。

 陶人形を出展した方の、男女のカップルのオブジェも魅力的でした。男性の肩に頭を寄せる女性という二人の姿が、はっきりとかたどられているわけではないのですが、そうだろうなと見た者の想像を誘います。

 春と花はこの時期の定番テーマですが、陶磁器で表現すると、暮らしや身の回りの存在として身近な分、より迫ってくる感じがしました。

 日を変え、品を変え、これらの作品を身近に置くことができれば、幸せだろうと思いました。展覧会のチラシはhttps://www.chikuma-bunka.jp/art/yakimono7-o.jpgからダウンロードできます。