朝、布団から抜け出し、カーテンを開ける。コップの水を二口ごくん。湯をわかしてコーヒーを落とし、一口含む。苦みが体内に広がり、頭蓋骨が刺激される…
朝の一連のルーティンによって、からだにすがすがしさと躍動を取り込んでいる。朝ごとに人は再生しているのだと思う。一日は心身の再生から始まる。始まらない日があっても、がまん。その心地良さを知ってしまったからには、そうした朝に戻らないではいられない…
「さらしな」という地名と言葉が、古代から人々の大きなあこがれになってきたわけを調べてきたら(更級への旅)、「さらしな」という音の調べが引き起こす「すがすがしさと躍動感」が大きな理由だと思うようになった。この「すがすがしさと躍動感」は、色で言うと「白を求める気持ち」。人間は体内に、心に、「白」を取り込んで、毎日、再生、再出発をする生き物なのだ。
そのように人の心身に影響を与える原理を「白の美意識」と呼んでみる。そうすると、日本人、地球人のものの考え方や見方、感じ方、表現の仕方のメカニズムがわかってくる気がする。