新聞に載っていた新年の短歌の一つを、手帳に書き写した。
障子張り仕上げに「プー」と霧を吹く心身確かな白寿の姑(はは)は
年末の大掃除の一瞬だろうが、年の初めにぴったりの短歌。障子紙の白さ、縁側の日差しの中で輝く光の粒、「仕上げに」「心身確かな」というサ行の音の連続、そして「白寿(99歳)」の白。新年の雪は、続く1年の良い兆し、前ぶれを意味するといわれるが、この短歌には雪に負けないすがすがしさと躍動感がある。吉兆を自分にも呼び込めるかもしれない。
不意に「いいなあ」「面白いなあ」「すごいなあ」と思うときがある。指を折りながら手帳に書き留めておくことがある。あとから読み返すと、気恥ずかしい。でも小さな発見や感動から創作が始まる。 (画像は、上記の短歌が載る山梨日日新聞の短歌・俳句欄。クリックすると拡大します)