以下は更級保育園元園長の平林千代子さんの文章。冠着山の両翼にのびる尾根筋の一つに「堂の山」と呼ぶ里山があり、更級保育園からも近いことから春が近づくとみんなで登ります。その様子についての平林さんのエッセー。
春を探しに堂の山へ
春は、杏、桜、林檎の花の蕾がだんだんとほころび、さらしなの里は一面花盛り。子どもたちと散歩に行き、花の美しさに、つい見とれてしまう。
更級保育園の子どもたちはとても幸せだ。春の園外保育に必ず行く山があり、その名が「堂の山」。冠着山が父なら、この山は子のような小さな山だ。
山道の入り口には沢があり、丸太橋がかかっている。小さな子どもたちがわたるのには至難の技だ。
おそるおそる四つ足で進む子。カニのように横歩きする子。それぞれ工夫してわたる眼差しは、真剣そのものだ。わたり終えると急な坂道が続くが、子どもたちの表情は、生き生きして元気に登っていく。
山頂に着いた時の笑みは、とてもさわやかで、喜びを全身で現している。木々がたくさんあり、木登りしたり、実を拾ったりと、遊びを十分満喫できる場所。 更級の自然の中でたくさん遊びを体験することで、自然の美しさを感じ、心豊かに育つことを願いたい。(さらしなの里友の会だより4号=2001年春=から)
堂の山については更級への旅新聞150号でも紹介しています。