さらしなルネサンスの特別企画にお招きする田中利典さんに、ぜひお聞きしたいことがある。なぜ、桜が吉野山のご神木に選ばれたのかということ。今から約1300年前、山桜を刻んで蔵王権現というご本尊が誕生したのが始まりであるのは知っている。でも、その蔵王権現を刻む木としてなぜ、桜が選ばれたのか。
山にはたくさんの種類の木がある。吉野山にだって、1300年前から今のように桜がたくさんあったわけではないと思う。蔵王権現は日本ならではの神様仏様。この神様仏様を祈り出したのが、役行者(えんのぎょうじゃ)という修験者であったことと関係しているのでは。ご自身が修験者である田中さんが出演したNHK「こころの時代」を見て、山で身を清めていく修験者の修行と桜の花の清らかさがにていると思った。写真は田中さんの最新のご著書「奈良 大和路の桜」(淡交社)。