「京の月」というタイトルの本(京都書院)があります。京都の伝統的な染織物「京友禅」で「月」をモチーフにした図案集です。明治から戦前までの間に、日本画家やデザイナーらが考案してきた京友禅のデザインの中から「逸品を精選」(財団法人京染会理事長の岩田治郎さん)したものだそうです。
大きな黄色と流線、透明な青色の丹頂鶴…。大河を前にした月夜のダイナミックさが感じられます。白光の中に鹿や狐、あるいは狸がいます。これは月灯りなのか、月の表面の模様なのか…。草むらの中でひざを折って休んでいる鹿。月は描かれていませんが、夜の月灯りを感じます。月はいろいろなことを想像させる仕掛けになっているのが特徴だと思いました。 画像をクリックすると、PDFが現れ、印刷できます。