大鏡を何枚も使って月をいくつも映し出す「田毎の月」実見プロジェクトまであと9日と迫った10月10日、プロジェクトの舞台となる長野県千曲市の姨捨棚田を訪ねました。そこに立てられていた告知案内板の左側の部分がこの写真です。
目を奪われました。鏡台山から上空に旅立った月と、虫取り網を持った子どもの写真が何枚か添えられています。子どもが月を虫取り網でとらまえようとした詩情あふれる写真です。
撮影したのは長野県須坂市のカメラ愛好家の櫛引知江子さん。撮影日はことしの中秋前日、十四夜の9月18日。「田毎の月と満月を採れなかった幼女を慰めるパパ」「満月を採ろうとする幼女」とタイトルが記されていました。信州を代表する俳人小林一茶の句「名月をとってくれろと泣く子かな」の世界を思い起こさせる光景がそこにありました。
その下の写真は、同じ夕刻に、プロジェクト試行イベントとして2枚の鏡に映し出した月です(撮影者は東京都の石川久さん、長野市の丸山利夫さん、千曲市広報課)。本番の10月18、19日は全部で約10枚の大鏡を並べるそうです。当日はこのほか、この舞台周辺の稲刈りが終わった田んぼに水を張り、水面に映る月も楽しんでもらう予定です。 画像をクリックすると、PDFが現れ、印刷できます。