2013年の中秋(9月19日)とその前日の十四夜、さらしなの里に現れる月の姿をシリーズ206、207、208、209、210号で紹介してきました。今号で紹介するのは、撮影場所とした千曲川河川敷の親水公園「水辺の楽校」の芝生広場(長野県千曲市三島、八幡両地区)です。
右の写真が芝生広場です。木の名前はまだ調べ中でわからないのですが、芝生が張られた中に大きな木があります。十四夜の9月18日夕、西の山に沈む夕日を背景に撮影しました。まだ十四夜の月が鏡台山から姿を現す前です。後方は千曲川歩行者自転車専用道(さらしなビューライン)の堤防です。株立ちした幹の間から太陽の光が漏れて芝生に差し込み、幹の長い影とのコントラストが面白くて、思わずシャッターを切りました。
上の写真は十四夜の月が鏡台山から放たれ、この写真に映ってはいませんが、右側にある冠着山(姨捨山)方面に弧を描きながら進んでいく様子を芝生広場の大樹の横から撮ったものです。207号と209号で紹介した池は木の左側にあり、その先には千曲川の本流も少し見えます。
写真を撮っているうちに、光と影が織りなす幻想的で楽しい作品で知られる影絵作家、藤城清治さんの「月光の響」)(左、絵はがきの絵を複写)を思い起しました。空高い月の光が大木の木の葉の間から差し込み、その光を浴びながらの音楽演奏を照らす構図です。手前にはその姿が映る水面もあります。降り注ぐ月の光とその光を反射する水面。千曲川という水の流れによって、より一層美しい名月の里として都に知られたさらしなの月のイメージと重なります。いつかこの芝生広場で、さらしなの月をテーマに音楽コンサートができれば…。芝生広場は地元長野県千曲市の都市計画課が管理する都市公園です。
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