更旅210号・中秋の月道(つきみち)

更旅・中秋の月道samuneiru

 この写真はことしの中秋、シリーズ206号で紹介したさらしなの里の満月が鏡台山から上り30分余りたった後の光景です。撮影場所は同じ千曲川河川敷の親水公園「水辺の楽校」(長野県千曲市三島、八幡両地区)の「芝生広場」。広場に隣接する池に月の光の帯ができていました。
 この池は残念ながら、中秋の直前に日本列島を襲った台風18号の影響で濁流に覆われてしまい、姿が荒れていました。しかし、国土交通省千曲川河川事務所戸倉出張所によると、水は本流から地下に敷いた岩の間を抜ける導水管の中を通る水のため、若干浄化され、流れも静かです、この月の光の帯に向かって右側の岸辺にその水の入り口があるのですが、伏流水のように湧き出ているように見える演出が施されています。このため、水の動きはゆるやかになり、月の光もこのようにおだやかに反射して目に届くのです。
 206号をご覧になった方は、この光景の全体の明るさに疑問を抱くと思います。光を受けるカメラの機能を強くしたためで、実際に肉眼でこのように見えるわけではありません。しかし、撮影時、光の帯は確かに見えています。さらしなの中秋月への案内道を、水面が用意してくれているようでした。

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