172号・太陽も美しい

更旅172・太陽も美しい・サムネイル

 さらしなの里は、月が美しい「月の都」として世に知られるようになりましたが、太陽も美しい里です。この写真は夏の早朝、千曲市大池地区の上方から撮影したものです。
 大池地区はJR姨捨駅の上にあり、国の重要文化的景観に選ばれた棚田を耕作する人たちがたくさんいる集落です。千曲川が日差しを浴び、きらめいています。
 中秋のときに月が上ると大変美しい鏡台山は、この写真でいうと朝日の右側少し窪みのある峯の部分です。
 月も太陽も東から昇ります。季節によって月が上る所はこれらの山の峯を移動するのですが、太陽も同じように峯を移動します。まだ見たことはりませんが、月と同じように太陽が鏡台山の峯の間から上るときもあるはずです。
 太陽が顔を出すころに、月は反対の西側の山の峯の向こう側に沈み、その跡を追うように太陽が現れます。月が沈む時の様子に現在ではあまり関心が及びませんが、太陽は「夕陽」として特別な位置が与えられています。
 さらしなの里には、その場所に「御麓」という地名があります。いつもこの集落に太陽が沈むわけではありませんが、御麓に沈む夕日を見ていると、その神々しい地名はそれゆえに名付けられたと思えてきます。画像をクリックすると、PDFが現れ、印刷できます。