「さらしな」は奈良・平安の古代から都人(みやこびと)たちが最もあこがれた地の一つでした。それは、高貴で神聖で清浄といった純白をイメージさせる「さらしな」という言葉の響きが大きく関係しています。「さらしなの里」の呼び名の大元だった「更級郡」は消滅してしまいましたが、幸いに、さらしなのシンボルである冠着山(姨捨山、長野県千曲市)のふもとに、「更級地区」「更級小学校」と、最も名乗るにふさわしい場所に「さらしな」は定着して残っています。田毎の月や棚田がこれだけ有名になったのも、さらしなの里にあったためです。
さらしな堂では、「さらしな」という地名には日本人の伝統的な美意識が凝縮され、世界文化遺産級の地名であると言っても過言ではないことを、歴史的な事実やエピソードで明らかにします。 本のタイトルは「地名遺産 さらしな~都人のあこがれ、そして今」。A5判112㌻、フルカラーで、定価は1000円を予定。刊行は早ければ5月中旬。出来上がりましたら、あらためてお知らせします。