心がけ51 読み手の気持ちになる

 伝えたいことを伝えるためには、読み手の気持ち、立場になることが必要です。聞き手の気持ちや立場になることと同じですが、書いているときは、読み手は自分の前にいないので、聞き手より読み手の気持ちになる方が難しいと思います。
読んでもらいたい人が不特定多数の場合は、特に読み手のことを意識した方がいいです。新聞記事は不特定多数を読者対象にしていますが、高校生が読んでわかるものという基準があります。伝えたいことを伝えるためには、これを基準にするといいと思います。年齢を重ねた人には当たり前のことも、若年層は知らないのではと考えながら書くほうがいいです。
上から目線にも注意が必要です。ものごとを教えてやろう、解説してやろうという意識が出ている文章は、読み進めたくなくなるものです。自分だけが知っていると思っていることや、自分がなした事、こういうものは偉ぶって書きがちです。発見だと思っていることは実は違い、知っている人がたくさんいるかもしれません。解釈は独りよがりかもしれません。根拠は示されていますか。表現を工夫したり、客観的にすることで読み手が受ける印象はずいぶん変わります。
読み手の気持ちや立場になることは、なかなか難しいものです。書き上げた高揚感でそのまま発表してしまうと、結果的に評価を下げてしまうかもしれません。言ってくれることは信頼できるという人が身近にいれば、最初の読者になってもらうといいと思います。