元保育士の女性から「物語」を預かりました

保育士だった女性から、以前に書いていたという原稿をお預かりました。カルチャーセンターの作文講座で提出したものだそうです。最初に連絡をいただいたときは、エッセイのようなものかなと思ったのですが、そうではなく、山のぶどう畑をめぐるおじいさんとたぬきの童話タッチの物語でした。
作文講座の講師からは「もう少し整理を」と指摘され、そのままになっていたと言います。私は読んでみて、確かに講師の指摘は当たっているけど、不思議な物語だなと感じました。不思議というのはなんか面白いという感じで、どうしてそう感じたのか、気にとめていました。新美南吉の「ごんぎつね」を思い起こさせる物語だと思うようになりました。
女性にまたお会いしたときに、「不思議な物語」であることを伝え、ちょっとよく分からなかったことや、この物語を作った経緯などをお聞きしました。女性は東京で保育士の仕事をしながら、郷里の実家のぶどう畑の手入れや収穫を手伝うことがよくあり、そのときの実体験をもとに、お話を作ったとのことでした。
物語には、ハクビシンが登場します。ハクビシンは畑の恵みを食いあらす動物ですが、ハクビシンを単なる厄介ものとして扱っていません。
文章の手直しをするご意向はないとのことでした。もったいないので、私の方で手を入れさせてもらっています。